Nano Banana 2.1を旧モデルと比べてみた|差が出たのは「図解の正確さ」でした

Nano Banana 2.1を旧モデルと比べてみた|差が出たのは「図解の正確さ」でした

結論:きれいな1枚では差が出ず、「正しく描く」ところで差が出た

Googleが2026年10月6日に公開した画像生成AI「Nano Banana 2.1」を、旧モデルの「Nano Banana 2」と軽量版の「Nano Banana 2 Lite」と同じ条件で比べました。

ポスターやメニュー表の日本語の文字は、3つとも誤字なしで差が出ませんでした。写真風の場面やキャラクター作りでも、出来ばえはほぼ互角です。

はっきり差が出たのは2つです。1つは図解の正確さで、「都道府県の面積6〜10位」を描かせると、2.1だけが2回とも順位・面積・地図の位置まで全問正解でした。もう1つは参照画像の扱いで、キャラクターを写真に入れたとき、2.1だけが場面に合わない要素を片付けてくれました。

2.1の料金は1枚あたり約0.034ドル(1K)で、AI Studio上ではLiteと同じ値段です。これから使うなら2.1を選んで問題ない、というのが今回の結論です。

Nano Banana 2.1とは

Nano Banana 2.1は、Googleの画像を作る・直すAIの最新版です。文章で「こんな絵を描いて」と頼むと画像を作ってくれて、できた画像を「ここだけ直して」と会話しながら修正することもできます。Geminiアプリ、Google検索のAIモード、Google AI Studioなどで使えます。

Googleは、前のモデルから特に良くなった点として次の4つを挙げています。

  • 見た目のデザイン(ポスターや図解のレイアウト)

  • 範囲を指定した部分的な編集

  • 同じキャラクターや商品を、何枚描いても同じ見た目に保つこと

  • より自然な画像

Google自身が人に見比べてもらった評価では、2.1はすべての項目でNano Banana 2を上回っています。差が一番大きいのは「複数キャラクターの一貫性」と「図解」です。ただし、これはGoogleによる評価で、第三者が測ったものではありません(Felo)。

なお、旧モデルのNano Banana 2は2026年10月29日にAPIの提供が終わる予定と報じられています。新旧を並べて試せるのは今のうちです。

検証の進め方

Google AI Studioで3つのモデルに同じお願い(プロンプト)を出し、できた画像を見比べました。2.1を使うにはAPIキーをひもづける必要があり、使った分だけ料金がかかる形です。

モデル

考える量(Thinking)

1枚あたりの料金(1K)

Nano Banana 2.1

Medium(初期設定)

約0.034ドル

Nano Banana 2

Minimal(初期設定)

2.1の約2倍(報道ベース)

Nano Banana 2 Lite

Minimal(初期設定)

約0.034ドル

共通の条件は、画像のみ出力・正方形(1:1)・1K・Google検索なしです。考える量は2.1にしかない「Medium」があるため、そろえずに各モデルの初期設定で比べました。普通に使ったときの差を見たかったからです。

やってみて分かった注意点が2つあります。

  • 毎回新しい画面で始めること:同じ画面で続けて頼むと、前の画像に引っ張られます。実際、最初は前の画像そっくりの構図が出てきて「さっきの画像に引っ張られてない?」と気づきました。

  • 1回だけで判断しないこと:同じお願いでも、出てくる絵は毎回かなり変わります。気になる結果は2回以上試しました。

テスト1・2:日本語の文字は3つとも満点

2.1は「画像の中の文字が良くなった」とされているので、まずは日本語で試しました。

テスト1 はカフェの秋メニューのポスターです。「秋の新メニュー」「栗のモンブラン 580円」などの4か所を指定しました。

3つとも誤字はゼロでした。違いはデザインに出ていて、2.1は見出しの強弱やレイアウトが一番ポスターらしく仕上がりました。Liteは頼んでいないのに、額に入れてカフェの壁に飾った写真風にしています。

2.1のモンブランは土台が見えず、最初は「土台がない」と思いました。ただ、「高級なモンブランは土台が見えんくらいのってるけどね」というとおりで、欠点とは言えません。

テスト2 は文字を約20か所に増やした、喫茶店のメニュー表です。

こちらも、2.1と2は2回ずつ試して全部誤字なしでした。細かいところでは、2が抹茶用の茶筅をほうじ茶ラテの横に描く取り違えがあったくらいです。

日本語の文字は、旧モデルの時点ですでにかなり完成していたと言えます。「お題が簡単すぎる気もするね」というのが、ここまでの正直な感想です。

テスト3・4:自由なお題でも、出来ばえはほぼ互角

文字で差が出なかったので、もっと想像力が問われるお題に変えました。

テスト3 は「何かから必死で逃げるにわとりたち」の一文だけです。「何か」をどう描くかが見どころです。

  • Nano Banana 2:キツネを描いた。「なにかっていってるのにキツネをかいてるね」

  • Lite:犬を描いた。ただし犬の顔だけが大きく崩れている

  • 2.1:1回目は追う側を描かず、2回目は小屋の奥に正体の分からない黒い影を描いた

2.1の2回目の影は、「何か」という言葉の扱いとして一番うまいと感じました。ただ、1回目と2回目で描き方がまったく違ったので、モデルのくせというより毎回のぶれの範囲だと考えています。写真風の場面は、3つとも完成度が高くて差が出にくいです。

テスト4 は、アニメ調のオリジナルキャラクター作りです。お題は「マヨネーズのボトルの尻尾部分をアザラシの尻尾に見立てた、マヨネーズアザラシ」

ボトルの蓋をどこに置くかで、解釈がきれいに分かれました。

モデル

蓋の位置

気になった点

Nano Banana 2

尻尾側

蓋が黄色

Lite

頭(「頭に蓋がきとる」)

名前や英語の文字など、頼んでいないものが多い

2.1

頭と尻尾の両方

蓋が2つある。ボトルの質感は一番出ている

どれも「アリ」な絵で、優劣というより解釈の違いです。

テスト5:キャラを写真に入れると、片付け方に差が出た

まず、2.1のマヨネーズアザラシを会話で直しました。「頭の蓋を外して尻尾に付けて、色を統一して、シワを描かないで」と頼むと、頼んだところだけが変わり、顔やラベル、背景はそのまま残りました。同じ元画像をNano Banana 2にも渡しましたが、仕上がりはほぼ同じで「蓋が被ってるぐらいで差を感じない」という結果です。

次に、このキャラを参照画像として使い、テスト3のにわとりの写真と組み合わせました。お願いは「キャラがにわとりを追いかけている場面を、背景とにわとりは写真のまま、キャラはアニメ調のままで」です。

3つとも、写真とキャラの見た目は保てました。差が出たのは、元の写真にあった「小屋の奥の黒い影」や、キャラの元画像にあった泡・キラキラの扱いです。

モデル

奥の影

泡・キラキラ

Nano Banana 2.1

消して、追う側をアザラシだけにする

持ち込まない

Nano Banana 2

角のある怪物にはっきり描き直す

持ち込み、アニメ風の煙も足す

Lite

影も犬もそのまま残す

少し持ち込む

2.1は「アザラシがにわとりを追いかける」という話に合わない要素を片付けてくれます。2は影が強調されたせいで、にわとりが奥の怪物から逃げているようにも見えました。

実は途中で、こちらのプロンプトの「1枚目」「2枚目」の番号を間違えていました。最初は「2は背景までアニメにしてしまう」と思ったのですが、番号を直すと2もちゃんと写真を残しました。比べるときは、条件をそろえたつもりでも見直しが大事だと実感しました。

テスト6:図解の正確さで、はっきり差が出た

最後に、Googleが一番伸びたと言っている「図解(インフォグラフィック)」を試しました。答えが決まっていて、正解・不正解を判定しやすいお題にしています。

最初は「都道府県の面積トップ5」でしたが、Liteでも順位と数字が合っていて「問題が簡単すぎるんじゃ」という結果でした。そこで、あまり知られていない6位〜10位に変え、日本地図の上で位置も示してもらいました。答えはプロンプトに書かず、検索も使わせていません。

順位

正解(国土地理院)

Lite

Nano Banana 2

Nano Banana 2.1

6位

秋田県

新潟県 ✗

新潟県 ✗

秋田県 ✓

7位

岐阜県

長野県 ✗

秋田県 ✗

岐阜県 ✓

8位

青森県

石川県 ✗

岐阜県 ✗

青森県 ✓

9位

山形県

福島県 ✗

青森県 ✗

山形県 ✓

10位

鹿児島県

岐阜県 ✗

鹿児島県 ✓

鹿児島県 ✓

正解は国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」(令和7年10月1日時点)の数字です(岡山県の統計資料)。

  • Lite:正しく入っていたのは岐阜県だけ。石川県(実際は35位)が8位に入るなど、自分で書いた面積の数字と順位も矛盾していました。地図も、「兵庫県と大阪が岐阜っぽくなってる」状態です

  • Nano Banana 2:5位の新潟を入れてしまい、全体が1つずれて山形が抜けました。面積の数字と地図の色分けはほぼ正確ですが、地図に「6位皇県」という存在しない県名が出ています

  • Nano Banana 2.1:2回試して、2回とも順位・面積・地図の位置まで全問正解。なまはげ、合掌造り、りんご、さくらんぼと、アイコン選びも的確でした

ここだけは、Googleの発表どおりの差がはっきり見えました。

まとめ:どれを使えばいい?

これから使うなら、Nano Banana 2.1を選べば問題ありません。きれいな1枚を描く力は3つとも同じくらいで、2.1は「正しく描く」「意図をくんで整理する」ところで一歩先にいます。

やりたいこと

今回の結果

ポスターやメニューに日本語を入れる

3つとも誤字なし。差はほぼない

写真風の場面、キャラクター作り

出来ばえは互角。解釈の違いが出る

会話で一部だけ直す

2.1と2でほぼ同じ

キャラを別の写真に入れる

2.1が場面に合わない要素を片付けてくれる

事実を図解にする

2.1だけが全問正解

料金も、2.1はLiteと同じ1枚約0.034ドル(1K)です。旧モデルのNano Banana 2を使い続ける理由は、今回の範囲では見つかりませんでした。

なお、今回は各テスト1〜2回ずつの試行で、Googleが得意とする「範囲を塗って指定するマスク編集」や「同じキャラを何枚も描き分ける」ところまでは試せていません。

よくある質問

Q. Nano Banana 2.1はどこで使えますか? A. Geminiアプリ、Google検索のAIモード、Google AI Studio、Gemini APIなどで使えます。今回はGoogle AI StudioにAPIキーをひもづけて使いました。

Q. Nano Banana 2と2.1の一番の違いは何ですか? A. 今回の検証では、図解の正確さでした。都道府県の面積6〜10位を描かせると、2.1だけが順位・面積・地図の位置まで全問正解でした。

Q. 日本語の文字はきれいに入りますか? A. 入ります。ポスターやメニュー表で約20か所の文字を指定しても、2.1と2は誤字なしでした。軽量版のLiteも、短い文字なら誤字なしです。

Q. 料金はいくらですか? A. Google AI Studioの表示では、2.1の画像出力は1枚あたり約0.034ドル(1K)です。Nano Banana 2の約半額と報じられています。

Q. Nano Banana 2はいつまで使えますか? A. APIは2026年10月29日に提供が終わる予定と報じられています。使っている場合は、2.1への切り替えをおすすめします。

参考

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