結論、すごく便利でした。
音声AIで有名な「ElevenLabs」が、Claude(対話型AI)と直接つながる「MCP」という仕組みに対応しました。何がうれしいかというと、これまで管理画面をポチポチ操作したり、コードを書いたりしていた作業が、Claudeとの"ふつうの会話"だけでできるようになったということです。
実際に試してみたところ、「沖縄の観光案内所のAIにして」「声を日本語のものにして」とお願いするだけで、数分で日本語で受け答えする観光案内AIができあがりました。専門知識はほとんど要りません。この記事では、実際に触ってみた流れと、正直な感想をそのままお伝えします。
そもそもMCPって何?
ざっくり言うと、**「ClaudeとElevenLabsを"数クリックでつなぐ"ための公式の接続口」**です。
これまでは、両者をつなぐのに自分のパソコンに専用のソフトを入れたり、鍵(APIキー)を設定したりと、ちょっとした準備が必要でした。それが今回、Claudeの「コネクタ」という設定からログインするだけでつながるようになりました。難しい設定はナシです。

つないだあとは、Claudeとの会話の中で「音声AIを新しく作って」「この案内文を変えて」「先週の問い合わせ、何が多かった?」といったことを、話し言葉でお願いできます。
「コードを書くAI」とは、何が違う?
ここで少し補足を。じつは私たちはこれまでも、開発の細かい作業を「コードを書くタイプのAI」(いわゆるAIエージェント)にお願いしてきました。ファイルを直したり、設定を組んだり、といった作業です。ただしこれは、ある程度エンジニア寄りの知識がある人が、専用の開発ツールを立ち上げて使うもの、というイメージでした。
今回のMCPで変わったのは、その"操作する側"が、ふだんチャットで会話しているClaudeになったという点です。開発ツールを開かなくても、コードを一行も書けなくても、いつものチャット画面で「これやっといて」と話しかけるだけ。つまり、「コードを書ける人」だけの作業だったものが、「話しかけられる人」なら誰でも触れる作業に広がった、というのが体感として一番大きな変化でした。
もちろん、複雑な作り込みや込み入った開発は、今でもエンジニアの出番です。ただ、「AIの案内文をちょっと直したい」「新しいお客さま用にAIをもう一体つくりたい」くらいのことなら、会話だけで完結してしまう。この"できる人の裾野が広がった"感覚は、非エンジニアの方にこそ一度味わってほしいところです。
実際にやってみた(ここが本題)
せっかくなので、実際の流れをそのまま書きます。
1. まず"実験用"のAIを1つ用意
いきなり本番の大事なAIをいじるのは怖いので、練習用に空っぽのAIを1つ作りました。名前は「MCP検証用」。ここだけで遊ぶ、と決めておきます。
2. 「一覧を見せて」
Claudeに「エージェント(AI)の一覧を見せて」と頼むと、今持っているAIがきれいに一覧で返ってきました。この時点でもう「あ、これ会話で操作できてる」と実感します。
3. 「沖縄の観光案内所のAIにして」
ここからが本番。「実験用のAIを、沖縄の観光案内所のスタッフにして。最初のあいさつもそれっぽくして」とお願いしただけで、AIの性格(指示文)とあいさつが、沖縄仕様にガラッと書き換わりました。
「はいさい!沖縄観光案内所へようこそ。今日はどんな沖縄を楽しみたいですか?」
こんなあいさつを、こちらが一文字も打たずにAIが用意してくれます。
4. 「声を日本語のものにして」
さらに「言語を日本語にして、日本語に合う声にして」と頼むと、日本語ネイティブの女性の声を選んで設定してくれました。
ここで一つ、正直な"つまずき"も。日本語のAIには対応する音声モデルが必要、というルールがあって、最初はエラーが出ました。ただ、Claudeがそのエラーを読んで、自分で設定を合わせ直して解決してくれました。ここは素直に「賢いな」と思ったところです。
5. 完成、そして会話
できあがったAIに話しかけてみると、こんな具合。
「きれいな海が見たいんですけど、どこがいいですか?」 「きれいな海でしたら、古宇利島(こうりじま)がおすすめですよ! エメラルドグリーンの海と古宇利大橋の景色は最高です。」
グルメを聞けば国際通りの居酒屋を、移動手段を聞けばレンタカーを、ちゃんと案内してくれます。**「これは便利だね」**というのが、触っていて一番出てきた感想でした。

ほかにどんなことができる?
今回やったのは"ほんの一部"で、会話でお願いできることはかなり広いです。私たちの仕事に引き寄せて、具体的な場面をいくつか挙げてみます。
お客さまごとにAIを"量産"する
たとえば、お客さまA社用・B社用と、それぞれ専用の受付AIを用意したいとき。これまでは一件ずつ手作業で設定していましたが、「この設定をベースに、A社用のAIを複製して。案内文だけA社向けに直して」とお願いすれば、土台をコピーして中身だけ差し替える、といったことが会話で進みます。似たAIをいくつも立ち上げる場面では、これがかなりの時短になります。
通話ログを"聞く"のではなく"分析させる"
「今週かかってきた電話、多かった問い合わせトップ5は?」と聞けば、通話の記録をざっと集計して傾向を教えてくれます。録音を一件ずつ聞き返さなくても、「よくある質問」が見えてくる。これはそのまま、案内文の改善やFAQづくりのネタになります。
サンプル音声・ナレーションをその場でつくる
文章を渡して「これを音声にして」とお願いすれば、ナレーションやサンプル音声のファイルを作ってくれます。提案資料に音声サンプルを添えたいとき、その場でサッと用意できるのは地味に便利でした。
性格・あいさつ・声・言語をまるっと変える
今回の沖縄観光案内所のように、AIのキャラクターや第一声、話す声、対応言語を、会話だけで丸ごと着せ替えられます。
「管理画面を開いて、どこを押すんだっけ…」と迷っていた作業が、話しかけるだけで済む。この体験は、非エンジニアの方ほど恩恵が大きいと思います。
ただし、ここは要注意
便利な反面、このMCPには"作る・変える・消す"の権限がある、という点は正直にお伝えしておきます。つまり、うっかり本番の大事なAIをClaudeに消させてしまう、という事故も理屈上は起こりえます。
対策はシンプルで、
Claude側で「実行前に必ず確認(承認)する」設定をオンにしておく
いきなり本番ではなく、今回のように"実験用のAI"で試す
実際、つないだ直後はすべての操作が「承認が必要」の状態になっていました。何かを変えるたびに「本当に実行していい?」と確認が入るので、そこで内容を見てから許可すれば安全です。**「便利だからこそ、確認は残しておく」**が基本方針だと感じました。


(※MCPの接続そのものは追加費用なしで使えます。実際に音声AIを動かすと、ElevenLabs側の利用プランに応じた分は消費されます。料金体系はプランによって変わるので、最新の情報はご確認ください。)
まとめ
ElevenLabsのMCP対応で、**「Claudeと会話するだけで、音声AIを作ったり直したりできる」**時代が、思っていたより現実的なところまで来ていました。
専門知識がなくても、話し言葉で音声AIを組み立てられる。しかも、うまくいかないところはAIが自分で直そうとしてくれる。実際に沖縄の観光案内AIを数分で作ってみて、その手軽さを体感できました。
もちろん、権限まわりの注意は必要ですが、そこさえ押さえれば、業務のいろんな場面で"時短の道具"として効いてくるはずです。気になった方は、まずは"実験用のAI"を1つ作って、話しかけてみるところから始めるのがおすすめです。
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