自作の分析ダッシュボードがあるけど、話題のOpenSEOを入れてみた

自作の分析ダッシュボードがあるけど、話題のOpenSEOを入れてみた

はじめに結論からお伝えします。

弊社では、自社サイトの状況を確認するために、Googleが提供している無料ツール(Search ConsoleとGoogle Analytics)のデータを毎日自動で集める仕組みを、自分たちで作って運用しています。

そこに、いま話題になっているOpenSEOというツールを接続してみました。「月2万円のSEOツールがまるごと無料になる」という触れ込みで広まっているものです。

**結果として、増えた機能はたった1つでした。「他社の状況と、実際の検索結果が見えること」**です。それ以外は、もともと自分たちの仕組みで足りていました。むしろ自社サイトを詳しく見る力では、自作の仕組みのほうが上でした。拾えていた検索キーワードの数は、121語対3語です。

ただ、その「たった1つ」がとても効きました。実際の検索結果を見たことで、「一番力を入れるべき」と判断していた領域が、実は勝ち目のない場所だったと分かったのです。何ヶ月分もの作業を投じる前に、方向転換できました。

かかった費用は、検証まるごとで17円でした。

以下、その一部始終を書いていきます。

そもそも、うちはどんな環境なのか

前提として、弊社の状況をお伝えしておきます。ここが違うと、たどり着く結論も変わってくるからです。

Search Console(自社サイトがGoogle検索でどう表示されているかを確認できる、Googleの無料ツール)と、Google Analytics(サイトに何人来たかを見るツール)。この2つのデータを、毎日自動で手元のデータベースに保存する仕組みを自作して運用しています。2026年2月からのデータが溜まっていて、集計結果はSlackに自動で流れてきます。月に一度、この数字をもとに社内向けのレポートを書いています。

つまり「自社サイトが今どうなっているか」については、それなりに手厚い環境がすでにあります。

今回の検証は、そこにOpenSEOを乗せたら何が増えるのかという話です。これから分析環境をゼロから作る方とは前提が違いますので、その点だけご了承ください。

OpenSEOとは、結局なんなのか

まず、正体をはっきりさせておきます。

きっかけはX(旧Twitter)で流れてきた投稿でした。「月2万円のSEOツールがまるごと無料になった」という内容です。触ってみる前に、この表現が正確なのかを確かめたいと思いました。

公開されているのは every-app/open-seo というリポジトリで、MITライセンス。自分のサーバーに置いて商用利用もできます。ここは投稿の通りでした。

ただ、ひとつ大事なことがあります。

OpenSEO自体は、データを持っていません。

検索キーワードも、順位も、被リンクの情報も、すべて DataForSEO という別の会社のサービスから取り寄せています。OpenSEOは、そのデータを見やすく整えて表示する「画面」と、AIから使うための「接続口」を提供するソフトウェアなのです。

そしてDataForSEOは、使った分だけ課金される有料サービスです。ですから自分のサーバーに置いたとしても、DataForSEOの利用契約は別途必要になります。しかも最低チャージ額が50ドルです。

料金を並べてみます。


費用

OpenSEO本体

無料

OpenSEOの運営会社が用意しているサービス版

月10ドル(10ドル分の利用枠込み)/お試し0.5ドル

自分のサーバーに置く場合

DataForSEOに最低50ドルのチャージが必要

Semrush(一番安いプラン)

月139ドル

Ahrefs(一番安いプラン)

月129ドル

正確に言い直すと、**「月2万円がまるごと無料」ではなく「月2万円が月10ドル(約1,500円)になる」**ということです。約14分の1ですから、それでも十分に大きな話ではあります。

ひとつ注意点があります。自分のサーバーに置くほうが、始めるときの費用は高くなります。 サービス版は10ドルから始められるのに対し、自分で立てると50ドルのチャージから始まるからです。「無料になる」と聞いて自前構築に向かうと、かえって高くつくことになります。

なお、サービス版の収益の仕組みはREADMEに正直に書かれていました。DataForSEOへのリクエストに28%を上乗せしているとのことです。裏を返せば、自分のサーバーに置けば1回あたりの費用は28%安くなります。使う量が増えてくれば自前構築のほうが得になる、という設計です。

ちなみにGitHubのスター数は、検証した8月31日時点で13.5kでしたが、1週間後の9月7日には16.6kまで増えていました。今まさに勢いのあるプロジェクトのようです。

実際に入れてみる

サービス版に登録して、Claude Code(ターミナルから使えるAIツール)から呼び出せるようにします。

やることはターミナルに1行入力するだけでした。

これは設定ファイルに書き込むだけの命令なので、そのあとClaude Codeを起動して、/mcp というコマンドから認証を通します。ブラウザが自動で開いて「許可しますか」という画面が出るので、承認すれば接続完了です。ここは特に詰まるところがありませんでした。

ちなみにこの接続先のURLは「今使っているOpenSEO」を指す作りになっていて、公式の説明によれば、サービス版でも自分のサーバーに置いた場合でも同じ形で繋がるそうです。あとから引っ越しても接続方法は変わらない、ということになります(自前サーバーでの接続は今回試していません)。

続いて、OpenSEOが公式に用意しているSEO作業用の「手順書」を導入します。

10本入りました。キーワード調査、競合分析、サイト診断といった、SEO作業のやり方をAIに教えるためのファイル群です。

ここで1か所だけ詰まりました。インストール前のプレビュー画面には保存先が .agents/skills/ と表示されるのですが、実際に入るのは .claude/skills/ でした。表示されたフォルダを確認しても何もなく、一瞬「失敗したのかな」と焦りました。表示上の不一致だと思われます。

もうひとつ、良かった点も書いておきます。インストール時に、セキュリティのチェックが自動で走りました。危険なコードが含まれていないか、外部の検査サービス2社が確認してくれるのです。結果は「Safe」「警告0件」でした。

こうした「手順書」はAIに指示を出すファイルですから、中身を確認せずに入れるのは本来おすすめできません。自動チェックが付いているのは安心材料になります。

比べてみる① 自社サイト — 自作の仕組みのほうが詳しかった

まず、OpenSEOに自社のドメインを入れてみました。

項目

結果

検索から来ている訪問者数(推定)

約156人/月

順位が付いている検索キーワード

3語

3語というのは、yomitoku(4位)、japanese ocr(7位)、日本語ocr(7位)でした。しかも3語とも、同じブログ記事1本に紐づいています。

これを見たとき「うちのサイトは記事1本しか機能していないのか」と、正直かなり落ち込みました。

ところが、手元のSearch Consoleのデータと突き合わせてみて、考えを改めることになります。同じ期間で、実際には121語のキーワードで検索結果に表示されていたのです。

OpenSEO側から見えていなかったものの一例です。

キーワード

表示された回数

平均順位

gpt-live

2,778回

4.3位

fugu ultra

1,196回

bonsai 8b

896回

gpt-live は2,778回も表示されているのに、OpenSEO側には1語も出てきませんでした。

理由は、DataForSEOが持っている日本語のデータが薄いからだと考えられます。海外のサービスが国内の検索データに弱い、というよくある話ではありますが、少なくとも弊社のサイトについては、自社データの詳しさでOpenSEOが上回る場面は一つもありませんでした。

ここは強調しておきたい点です。OpenSEOに表示された数字を「自社サイトの実態」だと受け取ると、判断を誤ります。 自社の正確な状況はSearch Consoleが正であって、OpenSEO側の数字は「外部のデータベースから見えている範囲」でしかありません。

ちなみに、自作の仕組み側からは、こんな厳しい診断も出ていました。


表示回数

クリック数

キーワード数

会社名での検索

3,081回

87回

3語

それ以外の検索

1,946回

2回

121語

89回のクリックのうち、87回は会社名で検索した人でした。 会社名以外での検索からのクリックは、わずか2回です。

理由もはっきりしていて、その121語がすべて20位〜60位に埋もれているからでした。「見出しの付け方が悪くてクリックされない」のではなく「そもそも人の目に触れる順位にいない」という診断になります。打つべき手がまったく変わる話ですが、これはOpenSEOなしで分かったことでした。

比べてみる② 他社 — ここは自作では絶対にできなかった

次に、同業他社のドメインを入れてみました。大阪でAIソリューションを手がける株式会社フツパーさんを選びました。


弊社

フツパー社

検索からの訪問者数(推定)

156人/月

2,443人/月

順位が付いているキーワード

3語

42語

16倍の差があります。ただ、この差そのものよりも、中身のほうがずっと興味深いものでした。

流入の多い順に見ていくと、「フツパー」(1位・1,338人)、「株式会社フツパー」(4位・300人)、「フツパー 上場」(4位・179人)、「フツパー 株価」(8位・149人)、「フツパー ipo」(2位・117人)と並びます。

合計2,083人。全体2,443人のうち、約85%が会社名での検索でした。

技術記事で検索流入を集めているわけではなかったのです。上場やIPOのニュースで社名を知られ、その社名で検索されている、という構造でした。

もうひとつ目を引いたのが、展示会のページです。出展するたびに専用ページを作っていて、「西日本食品産業創造展」(2位)、「スマート工場expo」(9位)、「フーデックス2026」(15位)といった、展示会の名前そのもので上位に入っていました。記事を書かなくても、出展のお知らせページを置くだけで検索からの訪問が生まれる作りになっています。

一方、弊社は会社名で1.1位を取っているのに、そこからの訪問がほとんどありません。順位の問題ではなく、会社名で検索してくれる人がまだいない、という話でした。

  • フツパー社 — 広報やIRで社名を広め、名前で検索してもらう形

  • 弊社 — 技術記事で、困りごとのキーワードから来てもらう形

どちらが優れている、という話ではありません。ただ、この比較は、Search Consoleを何年見つめても絶対に出てきません。 Googleが提供してくれるのは自社サイトのデータだけで、他社の数字は仕組み上、入ってこないからです。

今回の検証で「増えた」のは、まさにここでした。

比べてみる③ 自分より上にいた5社に、共通点があった

自作の仕組みのほうで、会社案内ページの状況も分かっていました。「webシステム開発 大阪」という検索に対して、弊社のページはこう並んでいます。

ページ

平均順位

データ分析サービスのページ

17.9位

採用ページ

35.3位

受託開発のサービスページ

48.9位

仕事をお願いしたい方に見てほしいページが、採用ページより13ランクも下にいました。

ただ、「48.9位」と分かっても、そこから何をすればいいのかは分かりません。順位は結果であって、理由を教えてくれないからです。

そこで、検索結果の上位20件をそのまま取ってきて、AIに聞いてみました。「この人たちの共通点は何ですか」と。

返ってきた答えは、URLを見れば一目瞭然でした。

  • terawave.co.jp(2位)

  • up-point.jp/services/system/(7位)

  • umu-inc.com/service/system_development/(9位)

  • joydea.jp(11位)

  • hp.f-creation.co.jp/websystem_top/(14位)

5社とも「大阪 × システム開発」だけに絞った専用ページを持っていました。 大企業ではありません。弊社と同じくらいの規模の、大阪の開発会社ばかりです。

一方で弊社のサービスページは、受託開発もAI導入支援も自社プロダクトも全部載せた「なんでもやります」という作りでした。同じ土俵で戦っているのに、出しているページの形が違ったのです。48.9位は実力差というより、形式が噛み合っていない結果に見えました。

ついでに、もうひとつ分かったことがあります。上位20枠のうち、4枠が求人サイト(doda、リクルートエージェント、マイナビ、Indeed)、6枠が比較まとめ記事でした。

つまり、事業会社が実際に争えるのは9枠しかありません。 「20位以内を目指す」のと「実質10位以内を目指す」のとでは、必要な努力がまったく違ってきます。

この判断材料は、Search Consoleをどれだけ眺めても手に入りません。教えてくれるのは自分の順位だけで、自分の上に誰がいるかは分からないからです。

かかった費用の実測

お試し枠の0.5ドルから始めて、検証を終えた時点で0.389ドル残っていました。使ったのは0.111ドル、日本円で約17円です。

内訳はこうなりました。

やったこと

費用

サイトの概要を見る(画面から)2回

0.07ドル

サイトの概要を見る(AI経由)1回

0.02ドル

実際の検索結果を取得 5キーワード分

0.03ドル

プロジェクトの初期設定

0ドル

キーワードの整理・分類

0ドル

請求画面の表示上は「サイトの概要」で0.09ドル、「キーワード調査」で0.03ドルという内訳になっていました。

ひとつ気づいたことがあります。同じ作業でも、画面から操作すると1回0.035ドル、AI経由だと0.02ドルでした。AIから呼び出したほうが安かったのです。

理由は確認できていませんが、DataForSEOは取得する件数に応じて課金される仕組みなので、画面のほうは100件まとめて取りに行き、AI側は必要な分だけ取っているのだろうと推測しています。

もうひとつ、後半の作業で費用がまったく発生していない点も書いておきます。プロジェクトの初期設定とキーワードの整理は、どちらも手元のデータを読んで処理していたため、課金がゼロでした。

そしてこの「手順書」の部分は無料で公開されています。極端に言えば、OpenSEOにお金を払わなくても使えます。

これは検証していて一番意外だった部分で、冒頭に「増えたのは1つだけ」と書いた理由でもあります。OpenSEOで一番作業が進んだ場面は、データではなく手順書のほうが効いていたのです。

まとめ

役割で整理すると、こうなります。

知りたいこと

自作の仕組み

OpenSEO

自社サイトの詳しい状況

◎ 121語

△ 3語

自社の順位やクリック率

◎ 毎日記録済み

他社が何で集客しているか

✗ できない

検索結果に誰が並んでいるか

✗ できない

この「✗ できない」2つを埋めるために月1,500円を払うかどうか、という判断になります。

弊社の結論は「払う」です。今回の検証1回だけで、何ヶ月分もの無駄な作業を避けられたからです。

ただし、置き換えではなく追加です。自社サイトの数字については自作の仕組みのほうが圧倒的に詳しく、そこを手放す理由は一つもありませんでした。

最後に、期待しすぎないほうがいい部分も正直に書いておきます。

順位を毎日記録する機能もOpenSEOにはありますが、これはSearch Consoleがすでに無料でやってくれていることです。しかもOpenSEO側は測定のたびに費用がかかります。この用途に限れば、Search Consoleのほうが優れています。

差が出るのは「競合の順位も一緒に追える」という点だけで、これも結局は「他社が見える」という同じ一点の言い換えでしかありません。

「あれもできる、これもできる」と紹介したくなるツールではあるのですが、すでに自前の分析環境を持った状態で正面から突き合わせてみると、最後に残ったのは一点だけでした。

その一点に月1,500円の価値があるかどうか。判断はそこに尽きると思います。

検証日:2026年8月31日/OpenSEOサービス版・Claude Code v2.1.251 にて実施

はじめに結論からお伝えします。

弊社では、自社サイトの状況を確認するために、Googleが提供している無料ツール(Search ConsoleとGoogle Analytics)のデータを毎日自動で集める仕組みを、自分たちで作って運用しています。

そこに、いま話題になっているOpenSEOというツールを接続してみました。「月2万円のSEOツールがまるごと無料になる」という触れ込みで広まっているものです。

**結果として、増えた機能はたった1つでした。「他社の状況と、実際の検索結果が見えること」**です。それ以外は、もともと自分たちの仕組みで足りていました。むしろ自社サイトを詳しく見る力では、自作の仕組みのほうが上でした。拾えていた検索キーワードの数は、121語対3語です。

ただ、その「たった1つ」がとても効きました。実際の検索結果を見たことで、「一番力を入れるべき」と判断していた領域が、実は勝ち目のない場所だったと分かったのです。何ヶ月分もの作業を投じる前に、方向転換できました。

かかった費用は、検証まるごとで17円でした。

以下、その一部始終を書いていきます。

そもそも、うちはどんな環境なのか

前提として、弊社の状況をお伝えしておきます。ここが違うと、たどり着く結論も変わってくるからです。

Search Console(自社サイトがGoogle検索でどう表示されているかを確認できる、Googleの無料ツール)と、Google Analytics(サイトに何人来たかを見るツール)。この2つのデータを、毎日自動で手元のデータベースに保存する仕組みを自作して運用しています。2026年2月からのデータが溜まっていて、集計結果はSlackに自動で流れてきます。月に一度、この数字をもとに社内向けのレポートを書いています。

つまり「自社サイトが今どうなっているか」については、それなりに手厚い環境がすでにあります。

今回の検証は、そこにOpenSEOを乗せたら何が増えるのかという話です。これから分析環境をゼロから作る方とは前提が違いますので、その点だけご了承ください。

OpenSEOとは、結局なんなのか

まず、正体をはっきりさせておきます。

きっかけはX(旧Twitter)で流れてきた投稿でした。「月2万円のSEOツールがまるごと無料になった」という内容です。触ってみる前に、この表現が正確なのかを確かめたいと思いました。

公開されているのは every-app/open-seo というリポジトリで、MITライセンス。自分のサーバーに置いて商用利用もできます。ここは投稿の通りでした。

ただ、ひとつ大事なことがあります。

OpenSEO自体は、データを持っていません。

検索キーワードも、順位も、被リンクの情報も、すべて DataForSEO という別の会社のサービスから取り寄せています。OpenSEOは、そのデータを見やすく整えて表示する「画面」と、AIから使うための「接続口」を提供するソフトウェアなのです。

そしてDataForSEOは、使った分だけ課金される有料サービスです。ですから自分のサーバーに置いたとしても、DataForSEOの利用契約は別途必要になります。しかも最低チャージ額が50ドルです。

料金を並べてみます。


費用

OpenSEO本体

無料

OpenSEOの運営会社が用意しているサービス版

月10ドル(10ドル分の利用枠込み)/お試し0.5ドル

自分のサーバーに置く場合

DataForSEOに最低50ドルのチャージが必要

Semrush(一番安いプラン)

月139ドル

Ahrefs(一番安いプラン)

月129ドル

正確に言い直すと、**「月2万円がまるごと無料」ではなく「月2万円が月10ドル(約1,500円)になる」**ということです。約14分の1ですから、それでも十分に大きな話ではあります。

ひとつ注意点があります。自分のサーバーに置くほうが、始めるときの費用は高くなります。 サービス版は10ドルから始められるのに対し、自分で立てると50ドルのチャージから始まるからです。「無料になる」と聞いて自前構築に向かうと、かえって高くつくことになります。

なお、サービス版の収益の仕組みはREADMEに正直に書かれていました。DataForSEOへのリクエストに28%を上乗せしているとのことです。裏を返せば、自分のサーバーに置けば1回あたりの費用は28%安くなります。使う量が増えてくれば自前構築のほうが得になる、という設計です。

ちなみにGitHubのスター数は、検証した8月31日時点で13.5kでしたが、1週間後の9月7日には16.6kまで増えていました。今まさに勢いのあるプロジェクトのようです。

実際に入れてみる

サービス版に登録して、Claude Code(ターミナルから使えるAIツール)から呼び出せるようにします。

やることはターミナルに1行入力するだけでした。

これは設定ファイルに書き込むだけの命令なので、そのあとClaude Codeを起動して、/mcp というコマンドから認証を通します。ブラウザが自動で開いて「許可しますか」という画面が出るので、承認すれば接続完了です。ここは特に詰まるところがありませんでした。

ちなみにこの接続先のURLは「今使っているOpenSEO」を指す作りになっていて、公式の説明によれば、サービス版でも自分のサーバーに置いた場合でも同じ形で繋がるそうです。あとから引っ越しても接続方法は変わらない、ということになります(自前サーバーでの接続は今回試していません)。

続いて、OpenSEOが公式に用意しているSEO作業用の「手順書」を導入します。

10本入りました。キーワード調査、競合分析、サイト診断といった、SEO作業のやり方をAIに教えるためのファイル群です。

ここで1か所だけ詰まりました。インストール前のプレビュー画面には保存先が .agents/skills/ と表示されるのですが、実際に入るのは .claude/skills/ でした。表示されたフォルダを確認しても何もなく、一瞬「失敗したのかな」と焦りました。表示上の不一致だと思われます。

もうひとつ、良かった点も書いておきます。インストール時に、セキュリティのチェックが自動で走りました。危険なコードが含まれていないか、外部の検査サービス2社が確認してくれるのです。結果は「Safe」「警告0件」でした。

こうした「手順書」はAIに指示を出すファイルですから、中身を確認せずに入れるのは本来おすすめできません。自動チェックが付いているのは安心材料になります。

比べてみる① 自社サイト — 自作の仕組みのほうが詳しかった

まず、OpenSEOに自社のドメインを入れてみました。

項目

結果

検索から来ている訪問者数(推定)

約156人/月

順位が付いている検索キーワード

3語

3語というのは、yomitoku(4位)、japanese ocr(7位)、日本語ocr(7位)でした。しかも3語とも、同じブログ記事1本に紐づいています。

これを見たとき「うちのサイトは記事1本しか機能していないのか」と、正直かなり落ち込みました。

ところが、手元のSearch Consoleのデータと突き合わせてみて、考えを改めることになります。同じ期間で、実際には121語のキーワードで検索結果に表示されていたのです。

OpenSEO側から見えていなかったものの一例です。

キーワード

表示された回数

平均順位

gpt-live

2,778回

4.3位

fugu ultra

1,196回

bonsai 8b

896回

gpt-live は2,778回も表示されているのに、OpenSEO側には1語も出てきませんでした。

理由は、DataForSEOが持っている日本語のデータが薄いからだと考えられます。海外のサービスが国内の検索データに弱い、というよくある話ではありますが、少なくとも弊社のサイトについては、自社データの詳しさでOpenSEOが上回る場面は一つもありませんでした。

ここは強調しておきたい点です。OpenSEOに表示された数字を「自社サイトの実態」だと受け取ると、判断を誤ります。 自社の正確な状況はSearch Consoleが正であって、OpenSEO側の数字は「外部のデータベースから見えている範囲」でしかありません。

ちなみに、自作の仕組み側からは、こんな厳しい診断も出ていました。


表示回数

クリック数

キーワード数

会社名での検索

3,081回

87回

3語

それ以外の検索

1,946回

2回

121語

89回のクリックのうち、87回は会社名で検索した人でした。 会社名以外での検索からのクリックは、わずか2回です。

理由もはっきりしていて、その121語がすべて20位〜60位に埋もれているからでした。「見出しの付け方が悪くてクリックされない」のではなく「そもそも人の目に触れる順位にいない」という診断になります。打つべき手がまったく変わる話ですが、これはOpenSEOなしで分かったことでした。

比べてみる② 他社 — ここは自作では絶対にできなかった

次に、同業他社のドメインを入れてみました。大阪でAIソリューションを手がける株式会社フツパーさんを選びました。


弊社

フツパー社

検索からの訪問者数(推定)

156人/月

2,443人/月

順位が付いているキーワード

3語

42語

16倍の差があります。ただ、この差そのものよりも、中身のほうがずっと興味深いものでした。

流入の多い順に見ていくと、「フツパー」(1位・1,338人)、「株式会社フツパー」(4位・300人)、「フツパー 上場」(4位・179人)、「フツパー 株価」(8位・149人)、「フツパー ipo」(2位・117人)と並びます。

合計2,083人。全体2,443人のうち、約85%が会社名での検索でした。

技術記事で検索流入を集めているわけではなかったのです。上場やIPOのニュースで社名を知られ、その社名で検索されている、という構造でした。

もうひとつ目を引いたのが、展示会のページです。出展するたびに専用ページを作っていて、「西日本食品産業創造展」(2位)、「スマート工場expo」(9位)、「フーデックス2026」(15位)といった、展示会の名前そのもので上位に入っていました。記事を書かなくても、出展のお知らせページを置くだけで検索からの訪問が生まれる作りになっています。

一方、弊社は会社名で1.1位を取っているのに、そこからの訪問がほとんどありません。順位の問題ではなく、会社名で検索してくれる人がまだいない、という話でした。

  • フツパー社 — 広報やIRで社名を広め、名前で検索してもらう形

  • 弊社 — 技術記事で、困りごとのキーワードから来てもらう形

どちらが優れている、という話ではありません。ただ、この比較は、Search Consoleを何年見つめても絶対に出てきません。 Googleが提供してくれるのは自社サイトのデータだけで、他社の数字は仕組み上、入ってこないからです。

今回の検証で「増えた」のは、まさにここでした。

比べてみる③ 自分より上にいた5社に、共通点があった

自作の仕組みのほうで、会社案内ページの状況も分かっていました。「webシステム開発 大阪」という検索に対して、弊社のページはこう並んでいます。

ページ

平均順位

データ分析サービスのページ

17.9位

採用ページ

35.3位

受託開発のサービスページ

48.9位

仕事をお願いしたい方に見てほしいページが、採用ページより13ランクも下にいました。

ただ、「48.9位」と分かっても、そこから何をすればいいのかは分かりません。順位は結果であって、理由を教えてくれないからです。

そこで、検索結果の上位20件をそのまま取ってきて、AIに聞いてみました。「この人たちの共通点は何ですか」と。

返ってきた答えは、URLを見れば一目瞭然でした。

  • terawave.co.jp(2位)

  • up-point.jp/services/system/(7位)

  • umu-inc.com/service/system_development/(9位)

  • joydea.jp(11位)

  • hp.f-creation.co.jp/websystem_top/(14位)

5社とも「大阪 × システム開発」だけに絞った専用ページを持っていました。 大企業ではありません。弊社と同じくらいの規模の、大阪の開発会社ばかりです。

一方で弊社のサービスページは、受託開発もAI導入支援も自社プロダクトも全部載せた「なんでもやります」という作りでした。同じ土俵で戦っているのに、出しているページの形が違ったのです。48.9位は実力差というより、形式が噛み合っていない結果に見えました。

ついでに、もうひとつ分かったことがあります。上位20枠のうち、4枠が求人サイト(doda、リクルートエージェント、マイナビ、Indeed)、6枠が比較まとめ記事でした。

つまり、事業会社が実際に争えるのは9枠しかありません。 「20位以内を目指す」のと「実質10位以内を目指す」のとでは、必要な努力がまったく違ってきます。

この判断材料は、Search Consoleをどれだけ眺めても手に入りません。教えてくれるのは自分の順位だけで、自分の上に誰がいるかは分からないからです。

かかった費用の実測

お試し枠の0.5ドルから始めて、検証を終えた時点で0.389ドル残っていました。使ったのは0.111ドル、日本円で約17円です。

内訳はこうなりました。

やったこと

費用

サイトの概要を見る(画面から)2回

0.07ドル

サイトの概要を見る(AI経由)1回

0.02ドル

実際の検索結果を取得 5キーワード分

0.03ドル

プロジェクトの初期設定

0ドル

キーワードの整理・分類

0ドル

請求画面の表示上は「サイトの概要」で0.09ドル、「キーワード調査」で0.03ドルという内訳になっていました。

ひとつ気づいたことがあります。同じ作業でも、画面から操作すると1回0.035ドル、AI経由だと0.02ドルでした。AIから呼び出したほうが安かったのです。

理由は確認できていませんが、DataForSEOは取得する件数に応じて課金される仕組みなので、画面のほうは100件まとめて取りに行き、AI側は必要な分だけ取っているのだろうと推測しています。

もうひとつ、後半の作業で費用がまったく発生していない点も書いておきます。プロジェクトの初期設定とキーワードの整理は、どちらも手元のデータを読んで処理していたため、課金がゼロでした。

そしてこの「手順書」の部分は無料で公開されています。極端に言えば、OpenSEOにお金を払わなくても使えます。

これは検証していて一番意外だった部分で、冒頭に「増えたのは1つだけ」と書いた理由でもあります。OpenSEOで一番作業が進んだ場面は、データではなく手順書のほうが効いていたのです。

まとめ

役割で整理すると、こうなります。

知りたいこと

自作の仕組み

OpenSEO

自社サイトの詳しい状況

◎ 121語

△ 3語

自社の順位やクリック率

◎ 毎日記録済み

他社が何で集客しているか

✗ できない

検索結果に誰が並んでいるか

✗ できない

この「✗ できない」2つを埋めるために月1,500円を払うかどうか、という判断になります。

弊社の結論は「払う」です。今回の検証1回だけで、何ヶ月分もの無駄な作業を避けられたからです。

ただし、置き換えではなく追加です。自社サイトの数字については自作の仕組みのほうが圧倒的に詳しく、そこを手放す理由は一つもありませんでした。

最後に、期待しすぎないほうがいい部分も正直に書いておきます。

順位を毎日記録する機能もOpenSEOにはありますが、これはSearch Consoleがすでに無料でやってくれていることです。しかもOpenSEO側は測定のたびに費用がかかります。この用途に限れば、Search Consoleのほうが優れています。

差が出るのは「競合の順位も一緒に追える」という点だけで、これも結局は「他社が見える」という同じ一点の言い換えでしかありません。

「あれもできる、これもできる」と紹介したくなるツールではあるのですが、すでに自前の分析環境を持った状態で正面から突き合わせてみると、最後に残ったのは一点だけでした。

その一点に月1,500円の価値があるかどうか。判断はそこに尽きると思います。

検証日:2026年8月31日/OpenSEOサービス版・Claude Code v2.1.251 にて実施

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